朝の光が差す山の稜線。新緑と岩。
VOL.18 2026 初夏 ALPINE JOURNAL

嘉穂三山愛会

本号の特集

稜線をつなぎ直す

2026.05.17 ・ L. 整備班 / 末吉 ・ 9名

scroll
FEATURE ARTICLE — VOL.18

稜線をつなぎ直す

麻市側、馬見山の登山口に集合したのは午前七時。前週の長雨で崩れた路肩と、冬を越して倒れたままの杉の処理が今日の仕事だ。会員九名、それぞれが鋸とロープ、剪定鋏を背負って歩き出した。山に登るためではなく、誰かが安全に登れるように。

登山道で作業する人の後ろ姿。新緑の森。
馬見山八合目の土留め作業。丸太を横に渡し、杭で止める。 — 標高 800m

嘉穂アルプスと呼ばれる古処山・屏山・馬見山の三山は、嘉麻市と朝倉市の境を東西に走る一本の稜線で結ばれている。眺めはよく、四季それぞれに表情を変える低山だが、整備の手が入らなければ登山道はあっという間に藪へ還る。当会が嘉麻市側の維持を引き受けて、もう十八年になる。

この日の主な作業は三つ。倒木の伐採と撤去、雨で抉れた登山道の土留め、そして夏に向けた下草刈りである。馬見山八合目の急登では、流れた土を堰き止めるために丸太を横に渡し、杭で固定していく。地味で、汗だくで、写真に映えない仕事だ。

屏山との鞍部まで来ると、若手が真新しい道標を立てた。古いものは根元から朽ちて、いつ倒れてもおかしくなかった。方角と山名、そして次の分岐までの所要時間。それだけのことが、ガスに巻かれた登山者の生死を分けることがある。

正午、古処山のツゲ林の手前で握り飯を広げた。特別天然記念物のこの原始林は、踏み荒らしを防ぐロープ柵の点検も我々の仕事だ。誰かが「登山道は、放っておけば消える道だ」と言った。歩く人がいて、直す人がいて、初めて道は道であり続ける。下山のころには、稜線はまた一本、確かにつながっていた。

02 NEWS / REPORTS

お知らせ・活動報告

整備活動の記録、行事の告知、会からのお知らせ。新しいものから順に。

  1. 朝の光が差す山の稜線。新緑と岩。
    2026 初夏 VOL.18 特集

    稜線をつなぎ直す

    嘉麻市側、馬見山の登山口に集合したのは午前七時。前週の長雨で崩れた路肩と、冬を越して倒れたままの杉の処理が今日の仕事だ。会員九名、それぞれが鋸とロープ、剪定鋏を背負って歩き出した。山に登るためではなく、誰かが安全に登れるように。

    続きを読む
04 CARTOGRAPHY

嘉穂三山マップ

古処山・屏山・馬見山を結ぶ主稜線。当会が手を入れるのは、上側 = 嘉麻市側の登山道。

05 ROSTER

名簿

現在の会員。整備班・道標係・一般会員あわせて 24 名。ここでは中心メンバーを。

06 UPCOMING

次の活動へ

直近 3 回の整備活動予定。会員以外の参加・体験も歓迎。申込みは各回のフォームから。

  1. 14 6月

    馬見山 登山道整備

    中級

    嘉麻市 / 馬見山 嘉麻側ルート

    梅雨入り前の倒木処理と土留め補修。鋸・剪定鋏は会で用意。軍手と昼食持参。

    距離
    5.4 km
    獲得
    540 m
    L.
    整備班 / 山田
    集合
    馬見山キャンプ村 07:00

    残り 4 / 12 名

  2. 12 7月

    屏山 縦走路 下草刈り

    初級

    嘉麻市 / 屏山〜鞍部

    夏に伸びる笹と下草の刈り払い。初参加・体験歓迎。半日で下山予定。

    距離
    3.2 km
    獲得
    320 m
    L.
    整備班 / 田中
    集合
    嘉麻市側登山口 08:00

    残り 11 / 15 名

  3. 13 9月

    古処山 ツゲ林保護・道標点検

    上級

    嘉麻市 / 古処山 ツゲ原始林

    特別天然記念物ツゲ林の保護ロープ張り替えと、朽ちた道標の交換。終日作業。

    距離
    4.0 km
    獲得
    480 m
    L.
    整備班 / 小林
    集合
    遠賀川源流公園 06:30

    残り 7 / 10 名